フランス周遊⑥

<フランス周遊⑥>
遺跡・世界遺産巡り㊦
旅の最後の観光地となったのはベルサイユ宮殿だった。パリからの半日コースで、開場前に着いたので宮殿奥の庭に出て散歩した。首都の近郊にこれだけ広い敷地を確保できたのはさすがにブルボン王家のなせる業だ。宮殿は丘の上に立っているが、池を掘ってその土を積み上げて丘にしたという。そういえば、はるか先に池が見える。宮殿は改装中のようで、くすんだ壁面を金色に塗り替える作業が進んでいた。
中はルイ15世の部屋、16世の部屋などが並び、肖像画が飾られていイメージ 1る。英明な王に続く頼りない子や孫という、よくある話で、王家が栄え、そして滅びていった歴史をたどることができる。この中には、マリーアントワネットの肖像や、ナポレオンの戴冠式の実物大もあろうかといような巨大な絵もあるが、それはそれとして、興味深かったのは、第1次世界大戦終結時のベルサイユ条約の調印が行われた大広間「鏡の間」(鏡の回廊)である()。戦場から遠かった日本と違い、ヨーロッパでは第1次世界大戦で、第2次大戦に劣らない戦死者が出た。その決まりをつけた場所といってもよいだろう。普仏戦争後に、ドイツ帝国が成立したのもここだったと書かれていた。なんとも、歴史を感じさせる。イメージ 2
「鏡の間」から外を眺めると先ほど歩いた庭が広がり、その向こうに森があったが、ここも宮殿の敷地だそうだ。
 
 
 
 
シュノンソー城は()、美しい花壇のひろがる前庭と、川に張り出した白亜の城で知られている。こちらもノワール渓谷全体が世界遺産にされており、ここはその一角を占めている。城主は何人か入れ替わっているという。王侯の后か妃だった人もいるようだ。ゲートをくぐると、200メートルほどの並木道があって、その先に城が建っている。ただ、城といっても別荘のような感じで、敵の兵力を迎え撃つには頼りないかんじがする。フランス革命イメージ 3後、ここを保存するために多くの努力が払われたそうだ。
見学を終え、街中に少し入ると、ワインを売る店がある。私たちの添乗員が、知り合いの店主に声をかけていたというので、中をのぞいてみる。いろいろのワインを試飲させてもらったが、びっくりするような高級ワインというより、地元産のとっておきワインといったところだ。1本3500円、3本セット1万円といった感じだ。「ワインといえば赤」と、素人考えをしていたのだが、フランス・ワインの中心は白、と教えられたのが、この旅の収穫の一つだった。(続く)