フランス周遊②

<フランス周遊②>
美術館と名画の舞台をめぐる㊤
フランスが近代美術の宝庫であることイメージ 1は疑いがないだろう。その一端を楽しむこともフランス周遊の楽しみの一つである。今回最初に訪ねたのは、ニースにあるシャガール美術館(。高台の高級住宅街にある、こじんまりとした平屋の美術館で、マチス美術館に隣接している。訪れたとき、前庭にはラベンダーが咲き乱れていた。私たちの日本人ガイメージ 2イドは、シャガールがことのほか好みのようで、彼がいかに優れた画家であったかを熱心に説明してくれた。ここは、シャガールの生存中に、彼自身の意向に沿って展示されているのが特徴だそうで、ユダヤ教への信仰が篤かった彼は、旧 約聖書の内容を彼自身の手法で表現している。「なるほど、これが出エジプト記か」と納得させてくれる。
パリで1日自由時間があったとき、オルセー、オランジュルーブルのどこに行こうかと思案した末、「庶民向け」イメージ 3と判断したルーブルに決めた。朝早かったので、並ぶことなく入館、入り口で手にした日本語パンフレットを片手に、連れと館内をうろうろする。お目当ての『ミロのヴィーナス』()やダ・ヴィンチの『モナ・リザ』の前には人だかりができている。かき分けながら進んでいくと、『モナ・リザ』には柵のようなものが作られていて接近しすぎないようになっている。フラッシュをたかなければ写真イメージ 4撮影はOK、これはシャガール美術館も同じだ。『レースを編む女』()などルメールの作品が2点ひっそりとかけられていた。歩きつかれたのでスタンドでサンドイッチを食べていたら、同じツアー仲間の6人がそろってやってきた。ガイドつきで鑑賞したという。今度来るときは(ないだろうが)「何を見るか」を決め、準備をしっかりしておこう。(続く)